うつ病は、悩みやストレスが蓄積することで生じる精神的病の一種です。ストレス過多の現代では、うつ病の他にも、憂鬱と高揚を繰り返す双極性障害や、妄想や虚言を繰り返してしまう統合失調症などの精神病も患ってしまう人が増えています。その中でも、特にうつ病は患者数が多い病気です。そしてうつ病の中でも、精神的な症状が現れないタイプのうつ病を仮面デプレッションと呼びます。通常うつ病は、精神的症状が現れることがほとんどです。倦怠感や憂鬱感が続き、自己嫌悪や絶望感なども慢性的に感じます。そしてそれに伴い、頭痛や吐き気などの身体的症状が現れることが普通ですが、仮面デプレッションは身体的症状が先に現れ、精神的症状は感じません。そのため、ただの体の不調と勘違いしてしまう人も多く、発見が遅れるというのが大きな特徴です。仮面デプレッションであっても、うつ病には変わりありませんので、気づくのが遅く治療が遅れると、完治までにかかる時間も長くなっていってしまいます。症状が悪化すると、体にかかる負担も増え、入院を余儀なくされてしまうこともありますので、早期発見出来るような対策を日ごろからとっておくことが重要です。対策の方法としては、体の異変に気付いたときにすぐに病院へ行くことです。仮面デプレッションの特徴で、不調を訴え検査をしても体の異常が見つからないということがありますので、普通の病院で原因が見つけられない場合は、心療内科などへ行くようにしましょう。医師に相談すると、紹介状を書いてくれます。
仮面デプレッションの治療法は、基本的に投薬が中心となります。体に現れている症状は、普通の薬や治療では治りませんので、抗うつ剤と呼ばれる特殊な薬を使用します。抗うつ剤は、意欲の向上、精神安定など種類によって様々な効果がある薬で、長期間服用を続けることで症状の緩和が可能です。仮面デプレッションの場合、処方する薬の選択は非常に難しくなりますが、医師と相談しながら少量ずつ試してみるのが良いでしょう。また、定期的に医師によるカウンセリングを受けることも大切な治療の一つです。人と話すことで心が落ち着き、それにより症状も落ち着くことがあります。また、仮面デプレッションであることに気づくために、セルフチェックを行うこともおすすめします。セルフチェックは、インターネットサイトで簡単に行えます。簡単な項目に答えていくだけで、自分がうつ病であるかどうかを診断出来ますので、疑いを持ったときには積極的に利用してみましょう。仮面デプレッションは、周りも自分も病気であると気づきにくい、非常に厄介な病気です。病気に打ち勝ち健康な心と体を取り戻すために、自分で出来る対策は積極的に行うようにしましょう。また、中には精神的症状が多少現れるケースもあります。慢性的に続くのではなく、午前中だけ調子が悪い、週1回ひどくふさぎ込む日がある、など断片的に現れるのが特徴です。その場合は病気であると気づきやすいので、すぐに病院へ行きましょう。うつ病や仮面デプレッションは決して治らない病気ではないので、完治を目指し努力することが大切です。